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フレンド-今夜此処での一と殷盛り - 感想☆

フレンドを見て、感想とか思い出しながら、書いて行こうかなって思います。
記憶が定かじゃない所は、会話とか多少違うところもあるかもしれませんが(~_~;)
その辺は、ご勘弁を。

中也さんの知識とか、善弘さんの知識がそんなになく、ただ純粋に舞台の内容にそって感想を書いていく形になると思います。というか、それしかできません。

そして、ひたすらに長いので、お時間があるときにでもお付き合いしてくださったらうれしいです。





昭和初期の渋谷にある西洋風居酒屋「フレンド」。

舞台上には店内と外のセットと、「フレンド」の看板。
ある夜、そこを訪れたのは、酔った中原中也と、それを介抱する安原喜弘。

※私の胸はたかなりました。始まった!

店から出てきたのは、その店主夫婦に育てられたみなし子の秋子。彼女は関東大震災で家族を亡くしていました。
酔ったまま寝てしまった中也を見ながら、嬉しそうに語る親友の喜弘。
喜弘は、起きた中也に、喜弘「詩を語りにいきましょう!」と店を後にします。


ある日、秋子は、借りていたクラシックのレコードを喜弘に返します。
どうだった?と善弘に聞かれて、秋子は戸惑った様子。

※ここは、伏線だったんですね~



・・・・

二年後、京大を卒業した喜弘が「フレンド」を訪れます。

「ついに中さんの詩の出版が決まったんですよ!」

と嬉しそうに語る喜弘だったが、出版社など決まったわけではなく、中也の決意が決まっただけとわかる。
そこへ、出版が具体的に決まったと勘違いした中也が、銀座のカフェの女給となった秋子と、同じく女給となった元恋人の長谷川泰子を連れてやってきます。しかし、それが勘違いだったと知り、怒る中也。


2年の月日で変わってしまった秋子は、喜弘に借りっぱなしだったレコードを返し、


「かわいそうなみなし子に、レコードを貸してくれるんだ。でも、貧しいこのお店にも、周りの家にも、蓄音器なんてないの。だから、レコードの表紙の読めない横文字をずっと見てた。文学も、芸術も、私達に心には届かない」

といった言葉に、中也は答えます。


「スタンダールはこう書いた。恋をすると、ザルツブルクの小枝に結晶ができるような現象が起こる。文学も同じだ。それを読んだ者の心の中に、ザルツブルクの小枝が作られ、その者はこの世に恋をするようになる。」




その後、カフェの客の「めかけ」になるのだと話す秋子に、父代わりだった店主は怒り、殴ります。
正式に娘にしたいと話す二人に、もう迷惑はかけられないと断る秋子。

「借金は私達が全部肩代わりする。お前は何も悪くないじゃないか。全部あの大地震のせいで…」

二人の強い思いに、ついに受け入れ、女給をやめることを決意する秋子。
すると、店の外から、感動して大泣きする喜弘の声が!!!

※もう、ここは、ちょっと笑えました。善弘がかわいくて、かわいくて、内心はらはらしていたんでしょう。妾なんてとんでもない俺と一緒になろうって、言いたかったのに言えなかったんじゃないかって勝手に思っていたんですけど。良い結果になって、うれしかったのと安堵の思いがからみあったんだね。




レコードの中にあった手紙に「遺言」と書いてあったのが気になった善弘。
もう二度と合う事もないとおもったからという秋子。

「…いい文章だった。すっかり変わっちゃったのかなって思ってたけど、いい文章だった。言葉がキレイだった。レコードのことは、ごめん。感想聞いたら、いつも『よかった』って言ってたから…」

すると、レコードを耳に当ててみせる秋子。

「こうするとね、聞こえるの。蓄音器がなくても、聞こえたの。こないだ、銀座のカフェで本物を聞かせてもらったけど、こっちの方が、ずっといい音がした。」

レコードの反対側から耳を当てる喜弘。

※これです。ここです。私の一番好きなシーン。なんて純粋な恋心。なんて純粋な気持ち。二人の距離はあんなに近いのに、好きだって言えないのね~ってじれったく思いましたが(笑)素直に、やきもちもやきませんでしたよ。うらやましいとは思ったけどw




その後、中也の詩の出版が決まったにもかかわらず、資金がなくなって中断せざるをえなくなってしまいます。
そこへ、小林秀雄が出版を手伝いたいと訪れ、中也は再びやる気になります。
中也の詩集のタイトルは『山羊の歌』に決定。
表紙のデザインは、善弘がかいてくれという中也。

※※

ある夜、表紙デザインの原稿を持って「フレンド」を訪れた喜弘。

喜弘は秋子にいいます。
「誰とも結婚しない」ってほんとうか?今もつづいているのかと。

「大震災で、家族も、町の人も、みんな死んじゃった」

隅田川に浮かぶ死体が、自分だけ生きるのかとにらんできたと・・・・。


「一緒に祈ろう。そして生きてる僕らが力を合わせて、みんなの分も生きていこうよ。僕は秋ちゃんが好きだから、守りたいって思う。」


「…絶対に死なない?もうあんな思いをするのは嫌なの!」


「絶対に死んだりなんかしない!」

そして、抱き締め合う二人。

※私ここでも泣きました。秋子が、もう大切な人を失いたくないという気持ちが大きく表れていて、つらくなりました。それでも、それをも支えてくれようとしている善弘の存在に安堵したのでした。



※※

後日、喜弘が結婚を申し込みにくる、ということで大騒ぎになる「フレンド」。

「文学の道に進むのをやめて、英語教師になろうと思います。」

と、善弘の言葉に、ショックを受ける秋子だった。
そこへやってきた中也曰く、喜弘が描いた詩集の表紙がボツになった事をつたえます。

秋子は、中也にたいして怒ります。あんたのことを一生許さない!!って。

それに対して、善弘はなだめます。文学と芸術の冒険の旅を終わらせようと思うと。
その言葉に驚いたのは、誰でもない中也でした。


「中さんは天才だ。初めて中さんの詩を読んだとき、すごいと思った。でも、僕は文学と芸術を愛していたけど、僕には才能がない。(中略)僕には今、大切な役目があるんです。彼女を守るという、大切な役目です。中さんが書いてた『櫂の歌』みたいに、僕は今、彼女を乗せて海に乗り出そうとしてるんです。仕事をして、疲れたら中さんの詩を読みます。中さんの詩に癒されて眠ります。だから、中さん、詩を書いて下さい!!」

中也は納得しないまま、二人は別れました。


ある夜、「フレンド」を訪れた中也。

中也は、「妻子を連れて、山口に帰ろうと思うんだ。」と秋子に伝えます。
その夜、雪の降る中、中也は『生ひ立ちの歌』を詠みます。

「私の上に降る雪は 雹であるかと思はれた」


※※

喪服姿の秀雄と泰子に連れられ、号泣しながら「フレンド」へ帰ってくる喜弘。
中也は、脳膜炎で亡くなったのです。30歳の若さで。

秀雄はいいました。中也を見直したと。最期までいきようとしていたと。次の詩集のタイトルを聞いたら、『在りし日の歌』と。『死ぬのか?』と聞いたら、あいつは『死ぬ気になって生きる』と答えたと。

※死ぬ気になって生きる。こんなに力強い言葉があるでしょうか。そこに中也の気持ちがこめられていますよね。それなのに、人生というのは分からないものです・・・



そして、中也からの手紙を受け取った喜弘は、手紙は、病院で止められていたと、泣きながら語ります。


「中さんは何が悲しかったんでしょうか!?中さんは、ずっと『悲しい』と言っていた。でも、僕はずっとそれがわからなかった…」

という善弘の疑問に、秀雄は答えました。
中原は、悲しかったのではなく、悲しんでいたと。
悲しいことがあっても、ずっと悲しんでいてはいられない。
何かで気も紛らわせようとする。
でも、中原は、純粋に、正直に、悲しんだと・・・


※※


そして、時代は、次第に戦争へと突入していきます。

※ここからは、ある程度覚悟しているつもりでした・・・


日中戦争が始まり、「フレンド」の常連客達の中にも出征していく人が。
そこへ、喜弘を同人誌を書こう!と誘いにくる大岡と染谷。
喜弘は賛同しますが、秋子は、書いちゃいけない時代なのだと反対します。


ついにアメリカとの戦争が始まり、「フレンド」の看板も「友」という看板になりました。



「今の人達には、恋が足りないんだ。この世に恋をしてたら、殺し合いなんかできないはずだ。貧しくて、蓄音器を持っていなくても、人間はレコードに耳を押しつけて、心で音楽を聞く力を持ってるんだ。貧しくたって、この世に恋はできるんだ。」


※このセリフは、私の胸にささりました。みんながこんなきもちになっていたら戦争なんておこらないですもんね。ただひたむきな善弘の気持ちがストレートに入ってきました。


1945年5月25日、東京山の手一帯への大空襲。
響き渡る炸裂音と真っ赤に染まる舞台・・・

※ここで急に、観ている人の心が雷に打たれたようになったのではないかと。私はそうでした


秋子を探す泥だらけの喜弘が、よろめきながら客席に登場します。
そこに死んだはずの中也があらわれました。

「ヨシ、飲もう!そして語ろう!『フレンド』へ行こう!」

幕が上がると、そこには真っ赤に燃えさかる『フレンド』があらわれます・
そこには、店主夫婦も、秋子も、常連客も、みんながいつものように楽しく笑いあいながら語っています。
すごくすごく楽しそうに。幸せそうに笑っています。


『サーカス』を詠む中也。

「幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました 幾時代かがありまして 冬は疾風吹きました 幾時代かがありまして 今夜此処での一と殷盛り 今夜此処での一と殷盛り」


みんなと笑顔で、楽しく詩を口ずさむ喜弘。
そしてまた、すさまじい音が鳴り響いたと同時に幕が下り、二人きりになる喜弘と中也。

「僕は…僕は生きなければなりません!!」
「ああ、お前は生きろ。飲み、語り、悲しみ、愛し、のたうちまわって生きろ。」

そして、『汚れつちまつた悲しみに……』を詠む中也。
光が溢れ、紙吹雪が舞います。

※このシーンは、涙があふれ止まりませんでした。なんて美しいシーンなんだろう。こんな辛いことなのに、すごく美しくて涙が止まらなかった。



「汚れつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れつちまつた悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる」



気付くとそこは焼け野原。
そこへ、泥だらけになった秋子が。
みんな無事だったことを知り、抱き締め合う二人。
その後、秋子が荷物の中から、焼けてぼろぼろになったレコードを取り出します。
そして、焼け野原の真ん中で、二人はレコードに耳を当て、心で音楽を聞くのです・・・。


・・・・・


空襲シーンは、その場から逃げだしたくなるくらい怖くて、ドキドキしてて、息が止まりそうだった。そのあとのフレンドで、みんなの笑顔をみて、さらに泣いてしまった。


すごく会いたい人たち、あの幸せなひと時をいとおしく感じました。そして、あの時間を返して!!!っていう、誰にもぶつけようがない怒りが込み上げても来ました。

大震災も大変ではあったものの、空襲さえなければもっと違った人生があったかもしれませんよね。ただひたむきに、何もない時代であっても、苦しくても、生きていく。ただひたすらに、純粋に文学と芸術を愛して生きていく。こんなに純粋な生き方ができるのはある意味幸せな事なんだと改めて思いました。


全部戦争が、夢も希望も言葉も芸術も奪ったんです。全部。
戦争は絶対にだめです。
貧しくても苦しくても、小さな幸せに支えられて生きているものの、その小さな幸せを一瞬のうちに奪う。
戦争は絶対にだめです。

前にも書きましたが、レコードを耳に当てて心の耳で音楽を聴くというシーンは、私の大好きなシーンです。
あのやけこげたレコードが、戦争でずたずたにされた心を豊かにしてくれたんでしょう。
善弘さんにとって、中也さんは生きる糧だったのでしょう。
だから、中也さんと同じくらい大事に思う、秋子さんと出会えてよかったなって思いました。

・・・・・

最後に、舞台を観に行くことができるようにしてくださった方、
道中きにかけて付き合ってくださった方、
向こうで会ってくださった方、
本当にありがとうございました!!


私自身、貴重な体験をさせてもらいました(#^.^#)

まっすー、共演者の皆様、スタッフのみなさま、本当にお疲れ様でしたヽ(*´∀`*)ノ

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テーマ:NEWS
ジャンル:アイドル・芸能

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